教えて、先生。

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーについて、 患者さんやご家族、気になる症状がある方の疑問や悩みについて、 専門の先生にお答えいただきました。

「遺伝性ATTR(ATTRv)アミロイドーシス」、「FAP(Familial Amyloid Polyneuropathy)」とも呼ばれています。

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遺伝子の変異は先祖から受け継がれてきたということですが、血縁者からこの病気のことを聞いたことがありません。どうしてでしょうか?

  • 診断された方
  • ご家族の方

この病気は、原因となる遺伝子の変異があっても必ず発症するわけではありません。血縁者の中に遺伝子変異がある方がいらっしゃったとしても、発症していなかったのかもしれません。また、この病気の症状は体の色々な場所に、様々な形で現れることが多いため、発症しても別の病気だと間違われて、ご自身が「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」であることを知らなかった可能性もあります。
さらに、別の可能性として、何らかの理由で血縁者の方がこの病気のことをあなたに伝えなかったことも考えられます。遺伝カウンセリングなどを活用しながら、ご家族と十分に話し合ってみてください。

    ご回答いただいた先生: 熊本大学 脳神経内科学 教授植田 光晴 先生

    家族は発症前診断を受けたほうがよいのでしょうか?

    • 診断された方
    • ご家族の方

    発症前診断にはメリットがある一方で、留意すべき点もあります。ご家族にとって何が最善か、遺伝カウンセリングなどを活用しながら、一緒に考えてみてください。

      ご回答いただいた先生: 熊本大学 脳神経内科学 教授植田 光晴 先生

      子どもがまだ遺伝のことを理解できる年齢ではありません。どのように伝えればよいでしょうか?

      • 診断された方
      • ご家族の方

      この病気が発症する年齢は、人により異なりますが、早い場合でも20歳代後半~30歳代が多いことがわかっています。このことから、お子さまが成人し、自分で判断できるようになってから検査を受けることが推奨されています。
      遺伝子変異の有無は、結婚や出産など、お子さまの人生に大きく関わる可能性がありますので、成長にあわせ、焦らず、じっくりと話してみてください。また、お子さまに病気を疑わせる症状がある場合(通常は20歳以降で発症)は、早期治療のため、可能な限り速やかに医療機関を受診してください。

        ご回答いただいた先生: 熊本大学 脳神経内科学 教授植田 光晴 先生

        家族がこの病気にかかっていますが、私自身はこの病気かどうかはわかっていません。今は特に気になる症状もないので、このまま様子をみていても大丈夫でしょうか?

        • ご家族の方

        今は気になる症状がないということですが、変異した遺伝子を受け継いでいる場合、将来この病気を発症する可能性はあります。発症した際になるべく早期から治療を開始することがこの病気の進行を防ぐためには重要です。
        まずは、ご自身の体のことについて、ご家族の担当医の先生に相談してみてもよいかもしれません。そして、遺伝カウンセリングなどを活用して、病気を発症する前に遺伝子の変異を調べる発症前診断のことについても考えてみてはいかがでしょうか。

          ご回答いただいた先生: 熊本大学 脳神経内科学 教授植田 光晴 先生