遺伝性の病気について 遺伝子検査と遺伝カウンセリング
(1) 遺伝子検査
この病気の原因となる遺伝子を受け継いでいるかどうかは調べることができるのですか?
はい、遺伝子検査(血液検査)をすることでわかります。
この病気に疑わしい症状がある方は遺伝子検査をすることで診断と治療につなげることができます。
発症していない(症状や検査所見が無い)場合でも病気の原因となる遺伝子を
受け継いでいるかどうかを調べることができます。
● 遺伝子検査の流れ
まず医師の診察を受けます。検査を受けるメリットや留意点を確認し、検査を受けるかどうかを決めます。陽性だった場合のこともよく考える必要があります。遺伝カウンセリングを受けるかも検討します。
あらためて検査を受ける際のメリットや留意点などを詳しく確認します。検査を受ける場合は、採血を受けます。
検査結果をもとに、再度医師の診察を受けます。 この病気の原因となる遺伝子を受け継いでいることがわかった場合は、治療や定期的な通院のことなど、今後どのようにしていくのか相談します。
発症前の遺伝子検査について
この病気に疑わしい症状が無い場合でも、病気の原因となる遺伝子を受け継いでいるかを調べることができます。
これを発症前診断といいます。
- 発症前診断のメリット
- 病気の原因となる遺伝子を受け継いでいるかどうかはっきりするため、不明瞭な状況からくる不安やストレスを解消できます。
- 受け継いでいた場合、将来的に病気を発症する可能性を認識したうえで、定期的な受診が
行えます。
そのため、身体の状態を把握し適切なタイミングでの治療が可能となり、病気の進行を遅らせたり止めたりすることができます。 - 受け継いでいないとわかった場合は、ご自身だけでなく、お子さんやお孫さんが発症する可能性もなくなるため心配事が減ります。
- 発症前診断の留意点
- 遺伝子を受け継いでいることがわかった場合、病気を発症するかもしれない、という将来に対する心配事が生まれます。
また、検査結果を血縁者に対して、どのように伝えるかを考える必要があります。
- 遺伝子を受け継いでいることがわかった場合、病気を発症するかもしれない、という将来に対する心配事が生まれます。
(2) 遺伝カウンセリングについて
遺伝カウンセリングでどのようなことを相談できますか?
遺伝や病気についての悩みを相談できます。
遺伝の専門知識を持つ遺伝カウンセラーが、患者さんやご家族の持つ不安や悩みを聞き、向き合い、より良い選択ができるようにサポートしてくれます。
おひとりでも、ご家族・ご親族と一緒にでも、受けることができます。
遺伝カウンセリングは個室で行われ、秘密は厳守されます。安心してご相談ください。
遺伝カウンセリングの流れを教えてください。
予約→プレ遺伝カウンセリング→遺伝カウンセリングとなることが多いです。
1. 予約
遺伝カウンセリングを行っている施設に直接ご連絡いただくか、医師に遺伝カウンセリングのご希望を伝えてください。
2. プレ遺伝カウンセリング
プレ遺伝カウンセリングでは、病歴や家系を伺うとともに、専門スタッフが遺伝や病気についてわかりやすく説明しますので、疑問や不安に思っていることをお話しください。
3. 遺伝カウンセリング
専門スタッフがプレ遺伝カウンセリングの内容をもとに、相談者に情報や治療法の選択肢を提示します。わからないことや不安なことは、遠慮なくおたずねください。発症前診断のメリットや留意点などについてもお話しします。
遺伝カウンセリングはいつでも受けることができます。不安があるときや相談したいときは、検討してみてください。
遺伝カウンセリングを開設している病院を知りたい方へ
遺伝カウンセリングは全国の大学病院などに「遺伝診療科」、「遺伝外来」、「遺伝相談室」、「遺伝診療部」などの名前で開設されています。詳しくは、医師におたずねください。
また、全国遺伝子医療部門連絡会議のホームページから、遺伝子検査や遺伝カウンセリングを受けられる医療機関を探すことができます。