遺伝性の病気について 遺伝について
(1) 遺伝の仕組み
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、遺伝子の一部が正常と異なる(変異する)ことにより引き起こされる病気です。遺伝の仕組みを、まずは理解しましょう。

(2) 変異のある遺伝子が受け継がれる可能性
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、様々な遺伝子のうち、トランスサイレチン(TTR)というタンパク質を作るための遺伝子の一部に変異があることで発症する遺伝性の病気です。一般的に、両親のどちらかでこの病気の原因となる遺伝子に変異がある場合、子にその変異が受け継がれる可能性は50%です。

注意: 「受け継がれる可能性が50%」とは、「子ども2人のうち1人に必ず受け継がれる」という意味ではなく、「それぞれの子どもに50%の確率で受け継がれる」という意味です。遺伝子の変異が受け継がれる確率に、男女差はありません。
ただし、遺伝子に変異があれば必ず病気を発症するわけではありません。遺伝子に変異があっても発症しない方もいらっしゃいます。遺伝子に変異がある場合に発症する方と発症しない方がいる理由は、今のところわかっていません。
(3) 発症する可能性のあるご家族の範囲
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーに関する遺伝子に変異がある可能性のあるご家族は、「すべての血縁者」です。

まれに、患者さんのご両親に遺伝子の変異がなくても、様々な要因により遺伝子に新たな変異が生じることがあります。
(4) ご家族に確認してほしいこと
ご家族(血縁者)の方も患者さんと同じ遺伝子の変異があって、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーを発症している可能性があります。
この病気は、近年複数の治療法が登場し、早く治療を開始することで各種治療法の効果が期待できるため、早期診断がとても重要です。
まずは、ご家族(血縁者)の方に、以下のような症状がないか、確認してみてください。

- 1つでもあてはまる症状があった場合
- この病気を発症している可能性がありますので、なるべく早く患者さんの担当医にご相談ください。