“病気を伝える”を考える

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トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは遺伝性の病気のため、患者様のご家族(血縁者)も発症する可能性があります。
そのため、ご家族に病気について伝え、早めの検査や治療につなげることが重要だといわれています。
病気について伝えるために、ご家族の誰に伝えればよいか、何をどのように伝えるか、整理できるようにまとめました。

(1) 誰に伝えればよいですか?

まずは誰に伝えるか、整理して考えてみましょう

はじめに家系図を使って、ご家族のお名前、年齢などを整理してみましょう。
その方と自分の関係、何か体調不良があるかなども整理すると、誰に伝えたらよいかわかりやすくなります。

家系図シート二次元バーコード

家系図シートというツールもございます。
こちらからダウンロードすることもできますのでぜひご活用ください。

家系図の見本

家系図

(2) 何を伝えればよいですか?

ここでは、病気についてご家族に伝えるポイントを紹介します。
伝えるポイントは、『病気の特徴と治療薬があること』、『遺伝性であること』、『早期受診が大切なこと』の3つです。

  • はじめに、病気の特徴と治療薬があることを説明しましょう
    • トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーという病気と診断された
    • 手足がしびれる、歩きにくくなる、下痢や便秘になるといった症状が出る
    • 進行性の病気であり、適切な治療を受けないと歩けなくなったり、寝たきりになったりする可能性もある
    • 有効な治療薬が出ており、早く治療することで進行を遅らせたり止めたりすることができる
  • 次に、この病気は遺伝性であり、ご家族にも関係があることを伝えましょう
    • この病気は、遺伝性である
    • 親から病気の遺伝子を受け継いでいたら、発症するかもしれない
    • 病気の遺伝子を受け継ぐ可能性は2分の1である
    • 病気の遺伝子を受け継いでいても、必ず病気が発症するとは限らない
  • イラストを参考に病気の症状を説明し、心当たりがないかご家族に聞いてみましょう
    • この病気は、全身にいろいろな症状が出るし、個人差がある
    • これらの症状に心当たりがあるか確認してほしい
    • もしこれらの症状がなくても、気になる症状があれば「関係ない」と思わず、医師に相談してほしい

*ご家族から聞き取ったことは別ツールの家系図シートに記載しましょう

手足のしびれ

「手足のしびれ」のイラスト

視力低下

「視力低下」のイラスト

歩きにくさ

「歩きにくさ」のイラスト

不整脈

「不整脈」のイラスト

下痢や便秘

「下痢や便秘」のイラスト

息切れ

「息切れ」のイラスト

繰り返す吐き気

「繰り返す吐き気」のイラスト

立ちくらみ

「立ちくらみ」のイラスト

体重減少

「体重減少」のイラスト
  • ご家族の誰かに症状がある場合
    症状がある場合は、病院で検査し、遺伝子検査を早めに受けるようすすめましょう
    症状がある場合は、病院で検査し、遺伝子検査を早めに受けるようすすめましょう
    • この病気に関係している症状かもしれないので、病院できちんと検査してもらったほうがいい
    • 採血で病気の遺伝子を持っているかどうかを調べることができる
    • 早めに病気の遺伝子を持っていることがわかって、症状の原因がこの病気だと確定したら、早期に治療を受けることができる。だから早めに病院を受診して、いろいろな検査を受けたほうがいい。遺伝子検査も選択肢の1つになる
  • ご家族に症状がない場合
    症状がない場合でも、ご家族が病気についてもし気になったら病院を受診してみることを伝えましょう
    症状がある場合は、病院で検査し、遺伝子検査を早めに受けるようすすめましょう
    • 今後も症状が出るか注意してほしい
    • もし発症していても、自分で気がつかないこともあるので、病院に行ってきちんと検査してもらうことが重要である
    • 症状がない場合でも、採血で病気の遺伝子を持っているかどうかを調べること(遺伝子検査)ができる
    • 遺伝子検査を受けるかどうか、また受ける場合はその時期について、医師や遺伝カウンセラーと十分に相談することができる
    • ( 家族が離れて暮らしている場合は)各地域に遺伝カウンセリングを受けることができる医療機関があるので相談してみてほしい
    (※ 「遺伝カウンセリングを開設している病院を知りたい方へ」をご参考ください。
    また、わからないことがある場合は、医師にご相談ください)
  • 最後に、症状があってもなくても病院に行ってほしいことをもう一度伝えましょう
    • トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは進行していく病気である
    • 有効な治療薬があるので早く受診することが大切
    • 病院に行くのであれば、脳神経内科または循環器内科の受診を検討してほしい
    • 受診するときは、親族がトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーと診断されたことを伝えてほしい

(3) 伝えるMEMO

わからないことがあれば、こちらで相談することもできます。

●病院:医師、看護師、遺伝カウンセラー ●難病相談支援センター

どのように伝えるかまとめたり、誰にいつ話したか記録を残したりするためのMEMOがあります。ご利用ください。

伝えるMEMO