大切な人をサポートし続けるために 介護者とは?
介護者の定義
介護者とは、要介護者(日常作業を行う上でサポートを必要とする人または定期的な確認を必要とする人)が少しでも快適な生活を送ることができるように、身体的・感情的・精神的なサポートを行うすべての人(caregiver)のことです。
「介護」は、要介護者が満足した生活が送れることを目標とした援助全般のことを指すのに対し、「介助」は、要介護者の日常生活における行動や動作(食事、トイレ、入浴、更衣など)を支援・サポートする行為のことです。すなわち、「介護」という大きな枠組みの中に「介助」があると考えられます。
専門介護者と非専門介護者の違い
介護者は、「専門介護者」と「非専門介護者」に大きく分けることができます。
専門的な介護者には、看護師など看護の資格を持っている専門家とケアマネージャー※1やホームヘルパー※2など、介護専門の資格を持っている人がいます。要介護者だけでなく、それをサポートしている方にも支援やアドバイスを提供してくれる専門家のことです。一方、非専門介護者は、その多くが要介護者のご家族です。
要介護者がより快適な生活を送るためには、専門介護者による専門的な知識だけでなく、非専門介護者による精神的サポートや、要介護者の性格や嗜好などの個人的な情報を専門介護者と共有することがとても大切です。
ここでは、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの患者さんをご自宅でサポートされているご家族(非専門介護者)を「介護者」と呼ぶことにします。
- ※1介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う、介護に関するスペシャリスト(様々な職種の人がなっています)。
- ※2自宅で暮らす要介護者の日常生活の援助を行う介護スタッフ。
介護者の役割
介護者は、要介護者の日常生活にかかわるサポートだけでなく、専門家(専門介護者、医療専門家など)との関係構築や様々な行政手続き業務のサポートなども担います。
そして、そのサポートの内容は時間の経過とともに変化します。かつては時折で大丈夫だったものが、毎日のサポートが必要になったりすると、介護者にとってはご自身の日常生活や社会活動を脅かすほどの大きな役割を担うことになりかねません。「わたしの役割はここまで」とご自身でサポートの限度を設定して、その限度を超えた場合は、専門家に助けを求めることが大切です。