日常生活での工夫 活動
(1) 手足がしびれる、動かしにくい
手足の神経が障害されることで現れる症状です。
手足にしびれなどの異常な感覚があったり、動かしにくかったりすると、特に危険なのが、転倒してケガをすることです。
以下のことに注意しましょう。
- 少しの段差でもつまずいて転倒しやすいので、家の中で段差のある所(玄関や階段、絨毯や畳の縁など)を把握しておく
- 転倒しやすい履物(かかとの高い靴、サンダル、スリッパなど)は避ける
- 転倒した時大ケガにつながらないように、手足の露出が少ない服装を選び、手袋や靴下なども利用して、手足を保護する
など
また、ボタンをかける、ファスナーを開閉するなどの手先の細かい作業がしにくくなり、衣類の着脱に支障をきたすこともあります。ファスナーのつまみが大きいタイプの服やカバンを選んだり、可能であれば紐を付けたりして、つまみやすくする工夫をするのもよいでしょう。
(2) めまいや立ちくらみを起こしやすい
自律神経が障害されると血圧の調節がうまくできなくなり、ベッドから起き上がった時や、いすから立ち上がった時などに、めまいや立ちくらみを起こしやすくなります(起立性低血圧といいます)。
転倒しないように、以下のことに注意しましょう。
- 寝ている状態から急に起き上がらない(上半身だけ起こして少し待つ、足を動かしてから立ちます)
- いすなどに長時間座っていた場合、立ち上がる時はゆっくりと立つ
- トイレの後、立ち上がる時に転倒しないよう気を付ける(特に下痢が激しい時は立ち上がりに注意します)
- 入浴時は、浴槽に長時間つからないようにして、出る時は手すりなどにつかまる
- 立ち上がった時にめまいやふらつきを感じた場合は、いったん座ってからゆっくり立ち上がる
など
(3) 温度や痛みを感じにくい
手足の神経が障害されて働きが悪くなると、温度や痛みを感じにくくなります。
気づかないうちに、やけどやケガをしてしまうことがあるので、以下のことに注意しましょう。
- 温風ヒーターやこたつの電熱線に足や手を近づけ過ぎない
- 電気あんかや湯たんぽなど局所を温めるものは使用せず電気毛布を使用する
- 手足に傷ややけどの跡がないか、定期的にチェックする
- 手洗いや洗面、入浴時は、感覚がわかる部位でお湯の温度を確認する
- はさみや包丁を使う時は、手元をよく見てケガをしないように注意する
など
(4)目が見えにくい
アミロイドの沈着によって目にも次のような症状が現れ、日常生活の中で動きづらさを感じることがあります。
- 涙が出にくくなって目が乾燥する:ドライアイ
- 視界に蚊が飛んでいるように見える(飛蚊症):硝子体混濁
- 目の症状が進行すると、視野が狭くなる:緑内障
以下のことに注意しましょう。
- 視力や視界に違和感がある時は、すぐに眼科を受診する
- 眼科は継続して受診する
- 点眼薬は忘れずにさすようにする
- 手の筋力が低下して点眼薬をさしにくい時は、家族に協力を得たり、医療関係者に相談したりする